アンテについて


ラジオドラマ「不思議の国のヒロコの不思議」がNHK-FMの番組「FMシアター」で放送されたのは、もう10年近く前のことです。

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わたしが聞いたのは、再放送でした。この番組の音楽の楽譜によると、本放送は1987年1月17日です。

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ストーリーは、レコーディングが始まったというのに歌が書けずに「逃げ出したい」と想った歌手ヒロコが、突然スタジオに現れた樹の扉を開けて「時の回廊」に誘われる所から始まります。そこで巡り会ったアンテという少女に惹かれながら、ヒロコは自分の過去を遡り、遂に母親のお腹のなかにいた記憶へと戻ります。生を受けて社会のなかでもがき苦しみながら人と関わって生きていくよりも、胎児のままで永遠に眠りつづける方が、どれだけ安らかでいられるか−−
過去へ帰ることで、未来を見る力を奪おうとしたのは、実はヒロコの心の中に取り憑いた意志の弱さが具体化した、アンテという存在でした。「思い出も希望もない、陶器の世界」へとヒロコの心を封じ込めようとしたアンテの力を、ヒロコはけれど振り払い、「時の回廊」をぬけて現実へと帰ります。

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   NHK-FM FMシアター

    「不思議の国のヒロコの不思議」

原作・音楽  谷山 浩子  cast
構成・脚色  
湯本香樹実   ヒロコ    三田 寛子
演出     松本  順    アンテ    
島本 須美
技術     鈴木 満人   おかあさん  高間 智子
効果     大和 定次   セキ先生   
鷲尾真知子
               
おめん売り  金内喜久夫
               バスの運転手 高木  均
               ピアニスト  伊沢  弘
               ろくさん   
千葉  繁
               その他    
桂川 冬子
                      真鍋  敏
                      おやま克博
                      加賀谷純一

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「アンテ」という名前は、NIFTY SERVEの「詩のフォーラム(旧)」「現代詩のフォーラム」およびパティオ上で名乗っているハンドル名です。
谷山浩子さんからは、本当にたくさんの財産を頂きました。「MOON SONG」にしても、小説「電報配達人がやってくる」「悲しみの時計少女」にしても。すべてにおいて、影響力は計り知れないものがあります(^^;
この場をかりて、感謝します。
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「不思議の国のヒロコの不思議」で使われた挿入歌

「草の仮面」
「時の回廊」
「サカナのことば」
「花火」
「逃げる」
「人形畑」
「MOON SONG」



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