「かぜ」
− １ −
いま
だれかが
わたしの
ほっぺたにさわった
|TOP|
− ２ −
ごう と
おとをたてるのは
いつだって
ほかのなにかだ
だれもいなければ
かぜなんて
そんざいしない
|TOP|
− ３ −
ち・よ・こ・れ・い・と
はなちゃんの
あしのあいだを
ころころ
なにかがころがっていく
ぐ・り・こ
かえりたいきもちをおさえて
わたしも
かいだんをのぼる
|TOP|
− ４ −
むかしむかし
あるところが
かぜでふきとばされて
いまは
かげもかたちも
ありません
|TOP|
− ５ −
まえに
すすめないのは
かぜのせい
ずっと
そうおもっていた
|TOP|
− ６ −
いえ あの
ほんとなんです
かぜがひどくて
でられないんです
でんわをきったあと
もういちど
ためしてみる
やっぱり
げんかんがあかない
そとで
かぜがふきあれてる
|TOP|
− ７ −
まよなか
そとから
いろんなおとがきこえた
どんがらがっしゃんしゃん
ばりばりばりっ
こんけん けんかんこん
ふとんにもぐりこんで
あしたのあさ
せかいは
いったいどうなってしまっているだろう
ふきんしんにも
すこしわくわくする
たいふうのよる
|TOP|
− ８ −
きょうのごご
さんじじゅうななふんよんびょう
うまれてはじめて
もくげきした
つむじかぜの
うまれるしゅんかん
わたしの
ひだりがわと
みぎがわ
においのちがうかぜが
すれちがったんだ
|TOP|
− ９ −
きょうのかぜは
なんだかとてもここちよくて
いったい
なにがちがうのだろう
ちゅういぶかく
かぜのじょうりゅうに
さかのぼっていくと
こうえんの
すべりだいのうえで
にかいどうさんがくちぶえをふいていた
|TOP|
− １０ −
くうきを
むりやりおしだす
ちからは
けっして
かぜにはなれない
あつりょくが
ひくいほうへ
ながれるげんしょうが
かぜだ
|TOP|
|MAIN| |HOME|
Copyright 1998 BYS01127@nifty.ne.jp
All rights reserved.