「さかみち」
− １ −
こどもたちも
ねこも
みせのおばあさんも
わらいながら
かたむいている
まっすぐなのは
びんのなか
ラムネのすいめんだけ
たいようが
にしのそらにうかんでいる
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− ２ −
なぜ
こんなさかみちを
のぼるはめになったのだろう
なぜ
けったこいしは
いつかはとまるのだろう
そうか
だれかがわたしをけったんだ
だから とまってとうぜんなんだ
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− ３ −
うっかり
おとしてしまったあたまが
ふもとまで
ころがりおちた
やれやれ
またやりなおしか
おりていくと
あたまはいねむりをしていた
よこにねころぶと
そらがとおかった
さかみちなんて
ちきゅうぜんたいにとっては
ささいなでこぼこなんだ
つい うとうとして
トラックにクラクションをならされた
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− ４ −
くだってもくだっても
そこがみえないのは
ちきゅうがまるいから
きっとそう
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− ５ −
いつのまにか
たいようはくもにかくれていた
ぽつぽつ
すいてきがおちはじめた
はれるときには
のぼりざかとはいわない
きっと
いちもくさんにそとへかけだすから
ことばなんてどうでもいいんだね
のきをみあげる
たいくつなごご
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− ６ −
おもいにもつも
くるまではこべばらくちん
おもいにもつを
かかえて
さかみちをのぼったきおくさえ
ほしくなければ
くるまをてにいれるどりょくを
いとわなければ
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− ７ −
いっぽごとにふみしめた
つちがほられて
ふりむくと
わたしのほはばの
かいだんができている
ゆくさきは
まっさらなのぼりざか
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− ８ −
たいらなみちが
とくいなひと
のぼりざかで
いっきにかわすひと
よしあしはない
けっかが
かいしゃくにおきかわる
いつだって
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− ９ −
はねのあるひとは
パスして
つぎのターンへ
おすすみください
ここは
じゅうそくをえるばしょでは
ありません
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− １０ −
どうも
まっすぐころがれないと
おもったら
そうか
たまごだったんだ
わたし
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